クローズドサークルの新しい形

「屍人荘の殺人」

映画に関してはなかなか厳しい感じはありましたが、原作はすごく面白い。

本格ミステリのデビュー作品で、ここまで読ませることができ、新しいクローズドサークルで現代が舞台でそういう事態だからこそスマホが使えないようになっている説得力がありそこも良かった。

その上で、殺害に隠された意図や最後の殺人におけるこの設定ならではの仕込みと事件が絡みあい極上の作品になっていて、久々に本格ミステリのデビュー作でワクワクとガッツポーズを心でしました。

あと、名探偵する必要にかられる剣崎比留子とトラウマを抱えたワトソン神崎譲の不安定で不穏な関係と班目機関という謎組織。

こういうのは現代ミステリであり、ただ金太郎飴的安定した立ち位置の名探偵とワトソンではない。

そこも今ですね。

屍人荘の殺人 (創元推理文庫)